WEB NewsLetterAugust,2005 

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《特集》愛知万博清掃メンテナンス、その後

日本環境管理学会は5月20日、平成17年度通常総会の記念講演「愛知万博清掃メンテナンス事情」を開催。愛知万博清掃共同体・清掃管理センターで統括マネージャーとして陣頭指揮にあたっておられる坂本憲三氏をお招きし、お話を伺いました。このたび、万博会場に坂本氏を尋ね、その後のメンテナンス状況などを取材しましたので、報告します。

  1. 猛暑のなかの万博は、目標入場者数1500万人へのカウントダウン
  2. あちこちで水を使った技術を観察
  3. 分別の徹底か、予想したよりゴミの量が少ない
  4. 意見箱に寄せられるお客様の声
  5. 清掃クルーに対する暑さ対策
  6. あと1カ月、がんばれ清掃クルーたち!
[関連記事]
  1. 平成17年度通常総会・記念講演愛知万博清掃メンテナンス事情
かんきょうな想い 〜会員一言エッセイ〜

かんきょうな想い…とは、
RIEMAM会員から寄せられた「かんきょう」にまつわるひと言エッセイです。

  1. 紫陽花
  2. アスベスト
  3. ディープ・インパクト

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◇〆きりはありません。皆様からの応募をお待ちしてます!

◇投稿要領

【内 容】

・広域環境管理
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・環境管理論

上記テーマの5分野のうちどれでもけっこうです。分野がまたがっていてもかまいません。
これらに関する情報、想いをお書きください。

【原稿枚数】

1編=400字程度

【送付方法】

Eメールにてニューズレター小委員会宛にお送りください。
[E-mail]info@riemam.org

関連団体行事

◇ビルメンヒューマンフェア'05 in 九州

【テーマ】

未来を拓くビルメン環境力

【期 間】

10月5日(水)〜 6日(木)

【会 場】

福岡国際会議場(福岡市博多区石城町)

【内 容】

ビルメンテナンス総合資機材展/ビルメンテナンス製品実践提案会/ビルクリーニング技能競技会/ビル設備管理技能演技会/業務改善事例発表会/分科会/シンポジウム

【問合せ】

(社)全国ビルメンテナンス協会九州地区本部
[TEL]092-473-6008
[URL]http://www.humanfair.info/

《学会の動き》
委員会・研究会だより

学術委員会
秋の研究発表会の内容検討、研究小委員会の進捗状況等を把握した。
(7月13日,9月5日)

建築・設備の不完全性事例研究小委員会
ビルメンヒューマンフェアにおける分科会構成内容等を検討した。(7月4日)

現場のための室内環境評価と測定研究小委員会
秋の研究発表会発表内容を確定すると共に、アンケート調査の準備を行った。(6月27日,7月29日,8月18日)

事業委員会・ニューズレター小委員会
・139号の発行(7月号)
・Web版ニューズレターの準備検討を行った。
(7月6日,8月3日,9月5日)

会議開催予定

学術委員会
9月30日 16:30 〜

事業委員会・ニューズレター小委員会
10月11日 17:00 〜

ニューズレター小委員会
9月30日 18:00 〜

建築・設備の不完全性事例研究小委員会
9月30日 18:00 〜

現場のための室内環境評価と測定研究小委員会
9月20日 14:00 〜

環境管理用語小委員会
校正作業中

新着情報
++寄贈されました++

学術の動向 2005年7月号
(財)日本学術協力財団

雪氷SEPPYO 第67巻第4号
(社)日本雪氷学会

BELCA NEWS 2005年7月号
(社)建築・設備維持保全推進協会

ビルメンテナンス 2005年8月号
(社)全国ビルメンテナンス協会

全国協会NEWS 第201号
(社)全国ビルメンテナンス協会

ビルクリーニング 2005年8月号
(株)クリーンシステム科学研究所

リアルエステートマネジメントジャーナル 2005年8月号
(株)ビーエムジェー

日本ビル新聞 第879号
日本ビル新聞社

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《 特集 》 愛知万博清掃メンテナンス、その後

1. 猛暑のなかの万博は、目標入場者数1500万人へのカウントダウン

目標の入場者数1500万人突破がカウントダウンに入った8月13日、万博会場で元気に働く坂本さんと再会した。

「このぶんだと2000万人くらいいくかもしれませんね」

それでも、お盆休みのこの時期なのに、入場者の数は思ったより多くないという。

「8月上旬は10万人いきませんでしたから。7月に一度20万人を突破しましたが、そのときはもう清掃スタッフも身動きがとれない状況でした」

そんな会話をしながら、事務所に向かう途中、坂本さんにカメラ撮影の依頼がある。講演でお話しくださったとおり、これもお客様サービスの一つ。手馴れたものだ。

それにしても、万博会場は暑い。万博協会のオフィシャルサイトを見ても、連日35℃前後で推移している。会場内は、さまざまな暑さ対策が施されていて、来場者に無料で飲料水を提供するなど、とにかく水分を多くとるよう呼びかけている。

「飲料水もそうですが、あれから(講演のあった5月以降)ドライミストはかなり増設されましたし、日よけテントの幅を広げ、ベンチの数もかなり増やすなど、いろいろ対策をやっています。また、1枚の前売券で夜間割引券2枚と交換できることになったので、夕方5時からの入場者もけっこういます」


お客様の依頼で写真を撮る坂本さん

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2. あちこちで水を使った技術を観察

「講演でも話したように、この万博では環境へのいろいろな取り組みや技術がありますが、このドライミストはこれから広がっていくのじゃないかと思います。例えば、次の万博(2010年上海)もそうですし、夏場に行われるイベントなどに使われる可能性が非常にありますね」

確かに、会場でとにかく目につくのが白い霧だ。それが数分おきに出ては消え、消えては出ている。少しでも涼をとりに人は群がるが、けして“ひんやり”したものではない。

ドライミストもそうだが、会場のあちらこちらで見られたのは水を使った技術だ。日立グループ館はダイナミックに建物に人口渓谷を造りだしている。三井・東芝館は、建物全体をルーバーで覆って水をしたたらせる。長久手日本政府館は光触媒塗装の屋根に水を流しているそうだ。これは実際に見ることはできないが、ある休憩室で光触媒コーティングしたガラスに水を流し、膜のできる様子を観察できるようにしている。あるいはまた、地面に水が浸透する様子を比較実験している装置など、さまざまな場面で環境技術が理解しやすいよう工夫されている。


バイオラングから吹き出すドライミスト


コンクリート舗装と人口土壌、自然土壌の浸透実験

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3. 分別の徹底か、予想したよりゴミの量が少ない

では、坂本さんたちの仕事である清掃メンテナンスの状況はどうだろうか。坂本さんが一番にあげたのが、ゴミの量だった。

「当初予想したよりも、ゴミの量がだいぶ少ないですね」

もちろん、主催者側による分別の徹底もあるだろうが、むしろ来場者のほうが、ゴミを出さず、きちんと分別するよう意識しているそうなのだ。

「ゴミ箱ステーションでは、母親が分別の説明をしながら子どもといっしょにゴミを捨てる場面がよく見られます。うちのスタッフやボランティアの方が間違ったことを言うと、逆にこれは何のゴミだと指摘されることもあるほどです(笑)」

ゴミの排出量が少ないことに加え、通路などにお客さんがゴミをちらかすこともなく、思ったよりもスイーピング作業(会場内の拾い掃き)に手がかからない。逆に、どうしても100%の分別は難しいことからダンプ作業(ゴミの回収)に手がかかる。そのため当初の計画から若干シフト変更もしたという。

「計画はあくまでもシミュレーションですからね。現実にあわせた方向転換ができないと掃除はうまくいきません」

実際、筆者も会場を訪れた知人から、「会場がすごくきれいだ」という意見をよく聞いた。

「私たちも、クルーの人も、もちろん努力はしています。でも、お客様もそれに合わせてくださっている。いっしょになってきれいに使おうという感じだと思います」

ただし、講演でも話していたように、一部の“不法投棄”は依然あるという。分別の意味や排出方法をよく理解できないパビリオン関係者などがいるためで、会期が終わるまで「不法投棄との戦い」は続くだろうと坂本さんはいう。

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4. 意見箱に寄せられるお客様の声

次に、教育面ではどうかと尋ねてみた。

「清掃クルーの登録人数で1400〜1500人、実動が1000人くらい。そうすると、やはり難しいですよね。万博協会からも、接客の部分、つまり万博のいろいろなスタッフと同じように、お客さんを迎える立場にあることを強調してほしいとのことだったのですが。私たちも会場内を巡回しながら作業者を見ていると、やはり途中で何度か注意しなければいけないこともありますね」

しかし、それは清掃にかぎらず、警備にしろ、店舗の販売にしろ、全般的にいえることのようだ。どうしても、自分の仕事を主体に考え、接客という部分で問題になることがたまにあるという。

各ゲートには意見箱が置いてあり、お客さんの声が集められる。その報告が、坂本さんたちの清掃管理センターにも来る。

「私たちに関する意見は、正反対ありますね。つまり見る人によってぜんぜん違うということです。例えば、トイレがきれいでとても気持ちいいという意見があれば、汚かったという意見もあります。まあ、掃除はいつ見てもきれいというのは不可能ですからね。作業する前は汚いし、作業した直後がきれいなのは当たり前です」

使用量が最も多いトイレでも、作業頻度は1時間に1回くらいしかできない。トイレの数が少ないというお客さんの声もあるが、作業する側からすれば膨大な量だ。1時間に1回として、1日に10〜12回は掃除するのだから。それに、設備的な不具合も、相変わらずトイレ関係に多いというが、考えてみれば、ふつうのビルと違って使用状況が尋常じゃなのだから、しかたない面もあるだろう。

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5. 清掃クルーに対する暑さ対策

とにかく暑い。このなかで清掃スタッフは作業するわけだから、その対策も必要だ。

「6月くらいから真剣に考えました。まず問題になったのが帽子です。実働が1000人にもなると、協会から支給された数では足らなかったのです。追加を協会にお願いしましたが、時間がかかるとのことで、一時、別に購入したものでしのいだ時期もありました。それになんといっても水ですね。熱中症の問題がありますので」

来場者はペットボトルの持ち込み禁止だが、これは働くスタッフも同様だという。

「当初から専用の給水器の付いたウォーター・サーバーを25台ほど用意していました。それを各詰所に最低2〜3個ずつ配置しました。7月に入ってさらに10台ほど増やしました。冷たいミネラルウォーターを飲み放題にしています。会場内ではペットボトルを買うことができますから、空いたボトルにこれを補給し、持ち歩くこともOKにしています。確かにコストはかかりますが、それよりも熱中症で清掃クルーが倒れるといったことは避けたいですからね」

そのおかげか、取材時点では、幸い労働災害は発生していないとのことだった。清掃は、通常は建物の中での仕事が多いが、こういう現場は外が主体になる。普通と違う面での苦労も多いのだと感じた。

人気パビリオンでは、連日数時間待ちの行列が続く。実際、無理して並び、熱中症で病院に運ばれる人もいるという。

「清掃管理センターに来る依頼で、意外に多いのが嘔吐物の処理です。暑さや疲れからくる嘔吐が、非常に多いのです」

これも、予測をこえた出来事だったと坂本さんは言う。


会場に設けられた給水サービス。同じものがスタッフの詰所にもある

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6. あと1カ月、がんばれ清掃クルーたち!

これ以外にも、木のチップを固めた舗装はやはり結合力が弱く、雨の日にはチップの屑が排水口を埋める問題は前よりもひどくなっているという。また、観光バスの止まる西ターミナルには廃タイヤを使った路面舗装が施されているが、通行量が多いためか歪みが激しく、通常のアスファルトに戻しているそうだ。

水やエネルギーなど、さまざまな環境技術が試みられているのが、この環境万博の特徴だ。それらの研究成果は、またいろいろなところで報告されるだろう。新しい建材や設備に対するメンテナンス状況も然りだ。本学会としても、今後それらを整理していく必要があるだろう。

「会期の初めのころは、終日いなければならない状況もありました。われわれ統括マネージャーは2交替で勤務していますが、今はわりと時間どおりに帰れるようになっています。また会期の終わりのころは忙しくなると思いますが」

万博終了まであと1カ月。まだまだ続く残暑のなかで、坂本さんをはじめとした万博会場の清掃メンテナンスするクルーたちの奮闘を心から祈りたい。


木がふんだんに使われた瀬戸会場

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かんきょうな想い 〜会員一言エッセイ〜

紫陽花

1. 紫陽花

梅雨も明け、暑い夏の到来です。つい最近まで景色を彩っていた紫陽花ですが、ひまわりにその座を譲るのでしょう。ご存知の方も多いかと思われますが、そんな紫陽花にまつわる話を紹介させていただきます。 紫陽花の原産国は日本だそうです。そして世界に紹介したのはシーボルトです。シーボルトは、江戸時代末期の鎖国の時代に来たオランダ(ドイツ)人で、医師として日本に来ました。シーボルトは、来日してすぐに楠本滝と結婚しました。そして日本各地を回り植物を採取したり、人々の暮らしぶりを観察したりしたそうです。

来日して5年後、シーボルト事件が起き、翌年日本追放となりました。シーボルトは、帰国後、植物誌「フローラ・ヤポニカ」をあらわしました。紫陽花は、このとき初めて西洋に紹介されました。アジサイ属14種を発表しましたが、その中で、特に花の大きいものに「お滝」の名前をとって「アジサイ」でなく「Hydrangea Otaksa: ハイドランジア オタクサ」と名づけたそうです。

シーボルトは、日本をこよなく愛し、また日本においてきた妻「お滝」への思いを感じることのできる話ですね。

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アスベスト

2. アスベスト

アスベスト問題がにわかに問題になっています。某企業が元工場のあった周辺住民に対して見舞金を支給するという報道によって、社会的な問題として再度取り上げられた気がします。 ビルメンテナンス業では、ボイラー暖房パイプの被覆、空調設備などの保護用資材や継ぎ手、Pタイルなどに使用されていると思われますが、いったい私たちにどのような影響があるかはっきりと分かりません。 アスベストは、耐久性、耐熱性、耐薬品性、絶縁抵抗性などに非常に優れ、安価であるため「奇跡の鉱物」とか「天然の贈り物」と呼ばれていたそうです。しかし、健康問題が明らかになり、「奇跡の鉱物」から「静かな時限爆弾」と呼ばれ、一説によると20年から40年の潜伏期があるとのことです。

詳細は、読者の皆様に調べていただくとして、学会からもビルメンテナンス業の従事者をはじめとする方々に安心と安全について、情報や対応策を提供していただけないかと思うこのごろです。

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ディープ・インパクト

3. ディープ・インパクト

7月4日、アメリカ独立記念日に、地球から上げた彗星探査機「ディープ・インパクト」の衝突機が、見事にテンペル彗星への衝突を成功させたと報じられた。

SF映画を思い出させる事象であり、人間の科学技術には驚かされるばかりだが、地球上で作ったものを違う星へ打ち込んで大丈夫なのだろうか、という心配がある。

火星やタイタンにしてもそうだが、地球上の微生物が他の星へ行ってしまうことにつながっていないだろうか。
宇宙から戻って宇宙船にぶどう球菌か大腸菌かは忘れたが、死滅しないで生きていたことを某先生はおっしゃっていた。

人間の欲望はどこまで成長するのかはわからないが、人間だけでなくもっと広く意識して技術が発展することを希望したい。

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